古希の祝い方について
基礎知識について
古希とは70歳のお祝いのことです。
昔は数え年で祝うのがしきたりでしたが、現在は満年齢で祝うことが多くなっています。
お祝いの食事会について
70歳ともなると、現役をしりぞき、引退している人もおおいので、本格的な長寿のお祝いは、古希から始めると考えてよいでしょう。
引退と後継者の紹介を兼ねたお祝いをするなら、祝宴に招く人たちも広範囲になります。身近な人たちだけで祝う場合、当人が健康なら旅行を計画してあげてもよいでしょう。
以下に3つのパターンを紹介しておきますので、ご参考ください。
☆本人が主催する食事会
身内だけを招く場合は、電話など、口頭で招待すればよいのですが、第三者も招いて行なうときは、招待状に、日時、場所、内容などを明記して送ったほうがよいでしょう。ほぼ一か月くらい前には先方に届くように、往復ハガキで出すようにします。
長寿の祝いは、その誕生日に行なうのが主旨に装のでしょうが、招く人の都合をまず考えます。日曜日を選ぶなら、誕生日を過ぎてからの日にします。ふつう日時を変更する場合、弔事は繰り上げますが、祝い事は喜びが延びることから、祝い事によっては延ばしてかまわないとされています。
当日は、引き出物として、長寿の記念となるようなものを、いただいたお祝いの金額にこだわらず、全員に同じものを差し上げます。盃や茶器などに名前と年齢を入れたものや、本人手作りの焼き物、自作の俳句を書いた色紙などもふさわしいでしょう。
☆子供たちが主催する内輪の食事会
身内だけの会なら、形式ばることもありません。子供たちをはじめとして、孫、兄弟などが、都合のよい日に自宅に集まって、会食するだけでも、立派なお祝いの会となります。全員で乾杯し、プレゼントを贈り、思い出話に花を咲かせるのも楽しいものです。身内以外でも、本人が望むなら、ごく親しい人を招いて、参加してもらうのも賑やかなことでしょう。
また、本人があまり派手なことをしたくないと考えるなら、身内で費用を出し合って、温泉旅行をプレゼントするのもよいでしょうし、贈り物をするだけでも十分です。要は、長寿を迎えた親に対する、子供たちの感謝の気持ちが伝われば喜ばしいことなのです。
身内のお祝いには、お返しの品は必要ありません。それでも何か記念をと考えるなら、金銀の杯や、趣味に合った自費出版で、自伝や俳句集などを作って配るのも、長く心の思い出となることでしょう。
☆第三者が主催する祝いの食事会
部下や教え子など、有志が集まって祝賀会を開いてあげるときは、会費制にすると合理的です。幹事役の人が、会の内容や招待客などを決め、主賓として本人夫妻を招くという形式です。
会費から、本人へのプレゼントも用意しますから、出席者は会費以外の「御祝」を持参する必要はありません。
進行役は、会を盛り上げるために、本人の若いころのスライド写真を上映したり、その長年の功績をたたえたり、出席者に本人とのエピソードを語ってもらうなど、工夫をこらします。ただし、主賓がお年寄りであることを考慮して、料理の内容に気を配ったり、時間が長びいて疲れたりしないように、きちんとしたスケジュールでこなします。
なお、お返しは、会のほうで用意します。当日無理なら後日でも、記念品を出席者全員に配ります。
お祝いの金額の相場について
高価な贈り物の場合などには、みんなでお金を出し合って贈るのが一般的ですが、大体の相場は以下の通りです。
贈る相手:両親・兄弟の場合・・・2万~5万円
贈る相手:祖父母の場合・・・1万~3万円
贈る相手:親類の場合・・・5千円~1万円
おすすめなプレゼントについて
70歳の古希祝いの基調色は「紫色」になります。
ですので、紫色の座布団や、セーターやベスト、シャツ、ブラウスといった衣料品がよく用いられます。
また、色にこだわることなく、絵筆や釣り竿といった趣味に生かせる品、日常生活を快適にする品を選んでください。
好きなお芝居の上等の席のチケットなども良いアイデアです。時期によって、マフラーなども喜ばれます。
いずれにしても、本人が選ぶものよりも少し若向きのものをお選びください。
おすすめの品物:歌舞伎などの観劇チケット、旅行券、釣り竿、絵筆、和装小物、陶磁器、ゴルフクラブ、ゴルフクラブのカバーセット、茶道具、碁盤、漆器、アクセサリー、日本酒やワインなどのお酒
また、健康を損ねている方には、健康の回復を祈って、「電気毛布」や「羽布団」などを贈るのもオススメです。
おすすめ出来ないお祝いギフトについて
冠婚葬祭の贈り物は、現金や品物です。贈り物は、人間関係をスムーズにする、日本の礼儀のひとつでもあります。最近では、そのマナーや慣習もゆるく、薄れつつあります。贈り物のタブーについても、あまり気にする人はいなくなってきています。
とはいえ、せっかくの贈り物でタブーは避けたいもの。知っていけば、相手に不快な思いをさせずに済む、最低限のものをご紹介いたします。
☆ハンカチ・・・ハンカチとは漢字で「手巾(てぎれ)」と書くため、手切れを連想させるので、NGです。また、白いハンカチは別れを連想させるのでタブーとされています。
☆櫛・・・「苦」や「死」を連想させる「くし」は縁起が悪い贈り物です。
☆日本茶・・・弔事に使われることの多い日本茶は、お祝いの贈り物には不適切とされています。しかし、お茶好きな相手へ贈る際には、オシャレなデザインのものを選べば失礼にはあたりません。
☆印鑑・・・印鑑を贈るということは、責任を持てという意味が込められるため、両親や兄弟、上司以外が贈るのは避けた方がいいでしょう。
☆時計・かばん・・・時計やかばんは勤勉を意味するので、目上の人に贈るときには注意が必要です。親しい間柄なら問題ありません。
☆履物・マット類・・・相手を踏みつけるという意味合いから、目上の人に贈る時には注意が必要です。親しい間柄なら問題ありません。
プレゼントを贈る時期について
お祝いを贈る時期は、誕生日の一週間前から誕生日の前日までの間にします。祝賀会がある場合は、当日に持参されても結構です。
☆のしの書き方について
水引:紅白や金銀の蝶結び
のし:あり
表書き/上書き:「敬寿」「賀寿」「祝七十歳」「古希御祝」など
表書き/姓名:上書きよりやや小さめのフルネーム
プレゼントに添えるメッセージカードの文例について
・ご長寿バンザイ! いつまでも健康で、明るく楽しい日々を送られますよう、お祈りいたします。
・古希おめでとうございます。いつまでもご健康で明るくお過ごしくださいますよう、お祈りいたします。
・つつがなく古希を迎えられましたこと、お喜び申しあげます。いつまでもお元気で。あわせてご家族の皆様のご健勝をお祈りいたします。
・古希おめでとう。あんまり無理をしないでね。いつまでも元気で、優しいおばあちゃんでいてください。
・おじいちゃん、古希おめでとうございます。人生百年、まだまだ青春時代、キラキラ輝き、ずっと現役でいてください。
・つつがなく古希を迎えられましたこと、心からお祝いを申しあげます。一層のご健勝とご多幸をお祈りいたします。
・謹んで古希のお祝いを申しあげます。いつまでも、お健やかでいらっしゃいますよう、心からお祈りいたします。
・謹んで古希のお祝いを申しあげます。ますますお元気で長生きされますよう、お祈りいたします。
・めでたく古希をお迎えの由、心からお祝い申しあげますとともに、ますますのご健勝をお祈りいたします。
・めでたく古希をお迎えの由、心からお祝い申しあげますとともに、ますますのご健勝を祈念いたします。
「冠婚葬祭 お金のマナー便利帳」より
「贈り物とお返しのマナー事典」より
「神事・仏事のしきたり」より
「大人のマナー便利帳」より
「NTT D-MAIL」より
「冠婚葬祭おつきあい事典」より